著者:森 博嗣
犀川と萌絵は、萌絵の同級生である片山和樹に誘われて、天王寺家のクリスマスパーティーに参加することとなった。
開催場所は、天才数学者である天王寺翔蔵博士が住む三ツ星館。和樹の父である建築家、片山基生が建設した建物である。建物の中心に宇宙(プラネタリウム)があり、建物の内側に植物など自然がある。しかし外観はコンクリートのみ、というまるで内と外を裏返しにしたような建物。そこで、事件は起こる。
12年ぶりに消えて現れたオリオン像。その謎が解けたとき、事件の謎も解ける。
物語最後の犀川と翔蔵博士の会話は読んでいてぞっとした。最後まで本当の謎は解明されない。生きているのは誰で、亡くなったのは誰か、それは不定なのだ。
人類史上最大のトリック・・・?
(それは、人々に神がいると信じさせたことだ)と犀川は思った。
「ねえ、中と外はどうやって決めるの?」「君が決めるんだ」
公園にて、女の子と老人の会話