著者:瀧羽麻子
本の装丁が可愛くて、思わず手に取ってしまった本。
タイトルのぱりぱりは、すみれの好物の袋に入った乾燥いりこのことを「ぱりぱり」とよんでいる、ていうところから来たのかな。
1つのことに異常に集中してしまい、協調性がまるでないすみれ。
個性的と言えばそうなのかもしれないけど、その一言では片づけられない存在感がすみれにはある。すみれ視点の話はなく、すみれの周りの人々から見たすみれをまとめた作品。
一番ぐっときたのは、最後のすみれのお母さんの話。
自分もちょうど3歳の子がいるから、自分の子が周りと違うということの不安はよく分かる。
周りの子のことはまったく気にしないすみれだが、お母さんのことは大好きだっていうことが伝わるエピソードは母冥利につきるね。
すみれには詩の才能があり、すみれが紡ぐ言葉に関する描写もよかった。色とりどりの言葉ってどんな感じなのかな。すみれの詩集を読んでみたくなった。
すみれの詩が好きだった。読むなり雷に打たれ、力を与えられた。だからこそ、すみれには書き続けてほしかった。本を出すとか出さないとか、売れるとかうれないとか、そんなことは後からついてくる。
編集者北川