文庫版 近畿地方のある場所について

著者:背筋

★あらすじ(裏表紙から)
 私、小澤裕也(おざわゆうや)は本書の編集を手掛けた人間だ。収録されているテキストは、その多くが「近畿地方のある場所」に関連している。なぜこのような文章群を発表するに至ったのか。その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。それをどうかあなたに語らせてほしい。私はある人物を探している。その人物についての情報をお持ちの方はご連絡いただけないだろうか。※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。

★感想(ネタバレ若干含む)
 近畿地方のある場所にまつわる、『山へ誘うモノ』『赤い女』『呪いのシール』という怪談について雑誌編集者とフリーライターの瀬野が追いかける物語。追いかけているその過程というよりは、見つけた記事・ネットの書き込みを次々と掲載していって、読み進めていくと怪談の核心に近づいていくというストーリーかな。

P272「ただの愚かな男を身勝手に祀りあげて、語って、広めて。意味なんてなにもないものに意味を与えた」
 これは怖い話にあるあるだよね。ちょっと変わった亡くなり方をした人について、何にも分かってない周りが恐ろしい話に仕立てて広めて。その結果何にもないはずだった場所、ものがいわくつきになっちゃうことはあるんだろうなぁ。

P346「幽霊を見てしまうのは、死んだ人がいるからだということをどうか忘れないでほしい」
 幽霊だと怖がったり、見えるって騒いだりするのを否定はしないけど、そこには悲しい思いをした人がいるということは忘れちゃだめだよね。心霊スポットとかも騒ぐ場所じゃないんだから、行くなら一定の礼儀をもって行くべきだと思う。ただずっと忘れてもらえないのは成仏するのの妨げにならないのかしら。


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