著者：伊坂 幸太郎
死神と、その仕事の対象者になってしまった人たちをめぐる６つの物語を集めた短編集。
死神と言えばデスノートとかを思い浮かべるけど、全然ちがったね。やる気はあんまりなくて、音楽好き、死神自身が殺すというよりは、対象者が亡くなってもいいかどうかを決める。
どの話も面白かったけど、やっぱり１番最初の話が印象的だったかな。死神に死ぬのが惜しいと思わせるってなんかすごいよね。
最後に１つの物語につながるのかなと思ってたけど、そんなことはなかった。
でも途中の別の話に出ていた登場人物が再登場したりするのは面白かったな。
それぞれの人生を精一杯生きている中で、死神の対象者になってしまったから亡くなってしまう不条理さ。病死・自殺は死神の死の対象じゃないとしていることからも、その不条理さが際立ってた。
全員「見送り」にしてあげてよと思いながら、それが普通だからと「可」となり亡くなってしまうのが切ない。
でもね、昔何かの映画で言ってたけど、ちょっとした微妙な嘘は、誤りに近いんだってば
老女
